北杜市は広く、山が近いこともあって場所によって標高がかなり違います。
この記事では、北杜市への移住を検討する上でとても大切な標高による気候の違いについて解説していきます。
実際に住んでいないと北杜市の町の位置関係がわからないと思うので、下のイラストで大体の位置をつかんでおくと理解しやすいと思います。
基本的には、北に向かうほど標高が高くなります。これは八ヶ岳が北杜市の北側にあるからです。
つまり、高根(清里)、大泉、小淵沢の北部は標高が高いということです。
また、須玉東部も比較的標高が高めです。これは瑞牆山があるからです。山に近いほど標高が高いということですね。
以上のことを踏まえて、くわしく説明していきます。
標高によって、気温が5度違う。
北杜市は標高の低いところでは約500メートル、高いところでは約1300メートル以上の場所にも家があります。
一般的に、標高が100m上がると気温が0.6℃下がると言われます。 つまり、標高500mの気温が30℃の場合、標高1300mの場所では、単純計算で気温が25℃まで下がります。
夏は涼しくていいんですが、冬はかなり冷え込みます。八ヶ岳から吹き下ろす冷たい風の影響で、実際はさらに寒くなるんです。
ぼくは元々標高1000m以上に住みたかったんですが、清里(標高1200m)で働いてみて考えを改めました。1月2月は毎日のように−10℃以下になるところに住むのは結構しんどい・・・
ちなみに移住地として人気の小淵沢は900メートルくらいの位置にあります。夏は涼しく、冬は寒すぎない。北杜市ではバランスのいい標高といえると思います。(とはいえ、東京など海抜0メートル地域からすると、冬はかなり寒いですが)
北杜市の 夏の暑さ VS 冬の寒さ (←冬の方が期間が長いですよ)
夏の寒さと冬の寒さはどちらがツラいのでしょうか。
僕が1年間北杜市で暮らした感想としては、冬の方が断然ツラいです。
理由はふたつ
- 冬のほうが期間が長いから
- 暖房費の方が冷房費よりも高いから
です。それぞれ詳しく説明していきますね。
冬(寒い時期)のほうが長い
1年間、北杜市に住んでわかったこと。それは、夏の暑い時期より冬の寒い期間の方が圧倒的に長い、ということです。
北杜市の夏
2021年の夏は白州町という標高600mくらいの場所に住んでいました。築30年の古いアパートで、おそらく断熱材もあまりはいっていないような建物です。
この環境で、18時以降に「クーラーをつけないと暑くてやってられん!」と思ったのはせいぜい3週間。クーラーなしで寝苦しいと思った日は数日しかありませんでした。
北杜市の冬
一方で、冬はかなり寒いです。11月の初旬には灯油ストーブ(ファンヒーター)をつかいはじめ、4月中旬くらいまでつかっていました。5ヶ月以上は寒いということです。
標高600mの白州町でこの寒さなので、900mの小淵沢や1200mの清里はもっと寒く、期間も長いでしょう。
清里在住の友人は、ゴールデンウィークでもコタツとストーブは使ってる、と言っていました。
実際、5月でも雪がふりますからね。寒いですよ〜
冷房費より暖房費のほうが高くつく
夏は猛暑日が少ないこともあって、あまり気になりませんでした。
標高1000m以上ではクーラーのない家も多いようです。北杜市に別荘が多いのはこの避暑地としての魅力のためでしょう。2拠点生活で夏だけ住む、という人にとっては楽園ですね。
一方で冬(寒い期間)は長いので、当然暖房代は高くなります。
風呂を沸かすのも調理にもガスを使うので、冬のガス代は夏の倍以上になります。(北杜市はプロパンガスなので高いんです・・)
薪ストーブを使っている小淵沢(900m)在住の知人は、月に3万円くらい薪代がかかっていると言っていました。薪ストーブは憧れだけど、薪を買う生活は難しそうです。
標高の高い場所は霧も発生しやすい(湿気問題)
1年間、白州町から清里に通勤してわかたことは、標高が高いところは霧が出やすいということです。
夏場に多いんですが、雨が降ると標高1000m以上の場所はかなりの確率で霧が発生します。車を運転していて数メートル先が見えないくらいの濃霧も多いです。
標高1000m以上の中古物件は、湿気にやられているモノが多かったので注意が必要です。
標高の高い大泉、清里、小淵沢が人気の理由
さて、これまで「標高が高い=寒い」のでデメリットが多いという内容を伝えてきましたが、なんだかんだいって大泉、清里、小淵沢は北杜市のなかでも人気の移住先になっています。
なぜか?
おそらく以下のような理由だと思います。
- 移住者が多い地域性
- 高所得者なので、暖房費が気にならない
- 単純にイメージがいい
移住者が多い地域性
大泉、清里、小淵沢は昔から移住者が多い土地です。なので、移住者を受け入れる雰囲気があるんだとか。
移住者コミュニティみたいなものもあるそうです。子育て世代はこうい繋がりを重視する人が多いみたいですね。
「移住者の子供も増えてるし、そのうち北杜市ネイティブより移住者の人口の方が多くなっていくんじゃないかな」なんて言う人もいます。
高所得なので、暖房費が気にならない
冬の暖房費がどんなに高くても、収入が十分にあれば問題ありません。このエリアに住む人は高所得者層が多いようなので、「夏涼しくていい。冬は薪ストーブで優雅に暖をとる」という人が多いのかもしれません。
あとは、高断熱高機密住宅に住んでるとか。ともあれ、お金さえあれば寒さはあまり問題にならないと思います。
おしゃれで高級なイメージ
清里や小淵沢はリゾート地として高級なイメージがあります。「アメリカの高級住宅街??」と思うような分譲別荘地もあります。
自然の近くで暮らしたいけど、田舎暮らしがしたいわけではない。という人にオススメです。
牧歌的な田舎感を求めるなら、白州、武川、明野がおすすめ
白州、武川、明野エリアは、標高が低く暖かい地域です。畑や田んぼが広がっていて、冬も比較的あたたかい。派手さはないけれど、静かでいいところです。
高級住宅というより、昔ながらの日本家屋が多い印象です。大きな家に住んでるひとが多いですね。
畑をやりたい、静かな環境がいい、田舎ぐらしに興味がある、というひとは、この3つのエリアがおすすめです。
ちなみにぼくが今住んでいる明野町は、日照時間が日本一。家に陽がよくはいるので、冬でも日中はポカポカです。寒いのが苦手な人は明野がいいと思います。
明野に若い移住者が増えてくれたら嬉しいな〜
生活の利便性がいいのは須玉、長坂
須玉には市役所本庁があり、高速のインターがあり、スーパーやホームセンターがあります。さらに、甲府が近いのも利便性の高さという意味ではメリットです。
ただし須玉は広く、東部の瑞牆山のふもと辺りは中心地から40分ほど離れています。
長坂も同様に、高速のインター、スーパー、ホームセンターがあります。総合支所があるので、役所機能も充実しています。
個人的に長坂にある綿半というホームセンターをよく利用するんですが、資材が充実していてDIYにはかかせません。ワタナベというお肉屋さんも新鮮で美味しいお肉を扱っているので気に入っています。
生活インフラを重視する人は長坂、須玉をオススメします。
まとめ
北杜市の移住先のイメージ、なんとなくイメージできましたか?おおまかな特徴はこの記事で説明しましたが、やはり自分で足を運んでみるのが一番だと思います。
北杜市の移住のことで質問がある方は、コメント欄に質問してくださいね!
初めまして、都内在住の鈴木と言います。
子どもの卒園に合わせて、2025年春めどに、北杜市に移住する計画を立てています。
5年前から毎年の夏に北杜市(主に大泉)に訪れていますが、今まで夏しか体験していなかったので、冬はどうなるかなど色々調べたところ、ここのブログに出会えました。特にデメリットについて大変参考になりました。今後はもう少し情報収集していきたいと思っています。よろしくお願いいたします。
鈴木さん
コメントありがとうございます!移住の参考にしていただけて嬉しいです。
デメリットはありますけど、雪のかかった八ヶ岳や南アルプスはとっても綺麗なので、ぜひ冬も足を運んでみてくださいね。
のりさんへ
初めて投稿します。たろうと申します。
私も将来、山並みが美しい場所に移住したいと思い最近土地を探している者です。
のりさんの記事は大変参考になっています。
先日、北杜市の明野地区を訪問し、すごく気に入りました。
そこでご相談です。
①明野地区で程々家が建っている地域では、行政区の縛りはあるのでしょうか?
駅から4〜6キロの範囲です。
将来は定住したいですが、当面は仕事があるので二拠点生活になってしまいそうです。
②ご近所とかなり離れていないと薪ストーブは迷惑でしょうか?
迷惑ならペレットストーブも考えています。
③車はスタッドレスを履けば四駆でなくても冬は越せますか?
これからも勉強させていただきますのでよろしくお願いします。
たろうさん
コメントありがとうございます!明野地区、のどかでいいですよね^^
ご質問ですが、
①
行政区の縛りというのは、加入義務ということでしょうか? その地区のゴミ収集所を使うのであれば加入はほぼ必須だと思います。ただし、区によっては「移住してくる若い人たちにはわずらわしいだろうから、行政区にはいらなくてもゴミ捨て場使っていいよ」といってくれる場合もあるようです。地域によってそれぞれ方針みたいなものがあるので、北杜市役所明野支所にいけば、その地区の区長さんに連絡して聞いてくれると思いますよ!
②
すみません。。我が家は周りに民家がなく、薪ストーブもないのでなんとも言えません。
③
ぼくの彼女は前輪駆動の軽自動車に乗っているんですが、雪が降った日でも明野周辺でスタックしたりすることはありませんでした。
ただし、北杜市でも標高1200メートル以上の場所(清里あたり)に行く場合は4WDでないと厳しいと思います。
あと、大通りは除雪車がくるのがはやいですが、農道や小路は除雪が遅かったり、そもそもこなかったりするのも注意です。
以上がぼくのわかる範囲の回答になります。あまり役に立たないかもしれませんが、一応参考にしてみてくださいね^^
のり さん
大変参考になる記事をありがとうございました。
私は、数年前から北杜市の標高900m前後の場所で将来移住できる戸建を
探し続けていますが、地元の方に「上で買った人が高齢でみんな標高の
低いところに越してきてるよ。」とアドバイスをもらい、ジョジョに低い
地域を探している者です。
現在は、韮崎市、明野町あたりが、バランスの良い気候なんだろうと考えて
いるところです。
おたずねしたいことがあります。
私は60代半ばなので、この先車を運転できなくなる時期の事も想定しておきたい
のですが、明野地域は車以外の交通や買い物の利便性はいかがですか?
小笠原、上手あたりがいいなと考えています。
masugiさん
コメントありがとうございます。
Youtubeにもコメントをいただいた方ですよね。
公共交通機関ですが、私たちは実際にバスを利用したことがないので、利便性については実体験でお話しすることができません。ごめんなさい。。
北杜市のホームページに須玉明野地区のバスの時刻表、ルートに関するページがあったのでよかったら参考にしてみてください。
https://www.city.hokuto.yamanashi.jp/docs/11594.html
はじめまして!
YouTubeも楽しく拝見しています。
南アルプスと八ヶ岳の眺望に感動し、
来年から夫婦で明野町と東京の2拠点生活を
スタートすることになりました。
もしかしたら割と近所かもしれません
これからも明野生活のリアル情報投稿お待ちしています。
伊野さん、コメントありがとうございます
明野は展望が、ひらけていて気持ちいいですよね。
YouTubeも見ていただきありがとうございます!
近所なのでお会いするかもしれないですね、そのときはよろしくお願いします