はじめての御前岩クライミング|アプローチや注意事項など

こんにちは、のりです。

つい先日、はじめて奥多摩にある御前岩というリードエリアに行ってきました。

北杜市に住んでいると、瑞牆や小川山といった花崗岩の岩場ばかり行ってしまいます。御前岩は片道2.5時間と少し遠いですが、傾斜のある石灰岩が楽しめるということで。(北杜市周辺には石灰岩の岩場がないのです・・)

石灰岩の岩を登るのはたぶん5年ぶりくらい。もともとクライミングをはじめたのは石灰岩だから馴染みはあるんですが、あまりにも久しぶりなので傾斜のあるルート登れるか不安あり。果たしてちゃんと登れるでしょうか。

御前岩のトポは、ロクスノ78号(2017年 冬)に掲載されています。エリア利用の注意事項といった大切なことやアプローチに関することも記載されているので、買っておくといいと思います。

御前岩の駐車場、アプローチについて

御前岩 駐車場

駐車場は奥多摩クライミングセンターという建物の横に駐車場があります。詰めれば6〜7台くらいは止められそうですが、あまり広くないので乗り合わせで行くほうが良いと思います。

駐車場から御前岩はゆっくり歩いて15分もかからないくらい。とても近くて道もしっかりしています。

①川沿いにある釣り堀の横に登山道にはいる

②登山道を数分歩いたら左に折り返す(朽ちかけたベンチが目印)

③そのまま道なりに歩けば到着します

御前岩 アプローチ

御前岩を利用する際の注意事項

駐車場利用料、入山協力金などを奥多摩クライミングセンターで支払います。

御前岩は一度登攀禁止になったことのあるエリアです。ルールを守らない場合、また御前岩でクライミングができなくなる可能性があるので、かならず守りましょう。(以下、奥多摩クライミングセンターHPから引用)

奥多摩クライミングセンター

入山登録をする

  • 初めて入山する際は必ず「全員」入山登録をしてください。
  • 受付ボックスにて入山登録用紙に記入のうえ、封筒へ入山協力金(500円/一人)とともに入れ投函してください。
  • 未登録のクライマーは立ち入り禁止です。
  • ビレイのみや見学の場合も同様です。
  • 登録後の入山に際し、再登録の必要はありません。

入山ノートへ記入する

  • 入山する際はその都度入山ノートへ必要事項を記入してください。
  • 帰る際も下山時刻を記入してください。

入山協力金

  • 入山する際は毎回入山協力金(500円/一人)を受付ボックスへ投函してください。
  • 協力金の一部は大沢自治会へ還元されます。
  • 釣り銭のないように注意願いします。

駐車料金

  • センター駐車場を利用する際は、自販機の500円ドリンクを車一台につき一本購入してください。(※2023年11月現在、自販機は撤去されているので入山協力金といっしょに受付ボックスに500円/一台いれる)
  • トラウトカントリー(釣り堀)駐車場および観光トイレ周辺に駐車する場合は、トラウトカントリーの受付へ行って手続きをしてください。(1000円/一台)

注意事項

  • 安全に配慮し事故を起こさない
  • 岩場での大便禁止
  • 木の伐採禁止
  • たき火は厳禁、コンロなどその他の火気は厳重注意のうえ使用
  • ゴミの投棄厳禁
  • 駐車場利用ルール厳守
  • 駐車場での車中泊禁止
  • 岩場で5.11以上を安定してリードできることを前提とし、十分なクライミング技術、安全技術を有すること
  • ビレイのみや見学者についても原則同条件
  • 取材などの場合は事前に委員会へ連絡、許可申請の上、会員を同行すること
  • アプローチ上や斜面の石、岩を谷側へ決して転がさない
  • 立ち入り禁止区域には立ち入らない
  • 必要に応じて地上でもヘルメット使用推奨(落石多数)
  • 多人数での入山自粛
  • 大声を出さない
  • 夜間立ち入り禁止
  • 無許可のガイディング禁止
  • ガイド許可申請に関する規定は委員会へ問い合わせること
  • 新たなルート設定およびボルト追加等の開拓行為禁止
  • ヌンチャクの残置は原則二日以内(週末など)
  • 終了点や回収用の残置カラビナの持ち出し厳禁
  • プロジェクトはボルト位置などを含め未完成で危険なため登らぬこと
  • 規則違反者は入山許可取り消し
  • 地元住民、またその区別がつかない場合でもきちんと挨拶をすること
  • 他のクライマーへ対しても注意を払い、進んでコミュニケーションをとること
  • 支点崩壊や岩の剥離などあらゆるトラブルに関して、すべて自己責任のうえ対処すること
  • 社会人として秩序ある行動ができること

御前岩エリアと、登ったルートについて

御前岩はいくつかのエリアに分かれていますが、エリア間はあまり離れておらず、ギュッと集まっています。友人といったときにお目当てのルートが別エリアにあっても移動が気楽でいいですね。

荷物を置いたりする平らなスペースがあるので快適です。この日は12月8日でしたが、気温は10〜15度くらいとかなり気温高め。日当たりのいい面は暑くて汗をかくくらいでした。

以下、ルートのネタバレを含みます

ハートブレイク 6b+ ☆☆ 

南東面エリアにあるウォームアップ課題。デシマルグレードでは5.10d-5.11aくらいです。

28メートルという長いルートですが、ホールドはすべてガバ、ガバポケット、ガバピンチ。手を出せばガバという感じです。

ガバだらけで傾斜もそんなに強いわけではないんですが、けっこうパンプしました。後半はかなり手を振ってレストしながらパンプに耐えて登る感じでした。

テンションはかけなかったけど、疲れた。でもアップには良いルートだと思います。

ハートブレイク

なめなめくじ 6c+ ☆ 

西面エリアにある星付きのルート。デジマルグレードだと5.11b/cくらいです。

さきほどのハートブレイクと違って9メートルの短いルートです。難しいのは前半部分で、ムーブの組み立てが面白い。ハングを越えるセクションはパワフルだけど、ホールドはポジティブ。信じて手を出せば保持できるホールドが待ってます。前半で疲れても、ニーバーやハンドジャム、ラップ持ちでレストできたので、なんとか上まで繋げることができました。

5.11cくらいのグレードはOSできると嬉しい。気温が高く、午後は日当たりがいい面なのでけっこう汗かきました。このルート登った時点でこの日はもう満足って感じに。

一緒にいった友人はDaijaという難しいルートをトライしてました。初段くらいの強度があるらしい。

なめなめくじ

蒙古タンメン 7a+ ☆☆☆

慣れない傾斜の強いルートで疲れてしまったのと、2本のルートをOSできたことで満足だったんですが、せっかく遠出してきたのでもう一本。ということでお触りしてみました。デシマルだと5.11d-5.12aで、ぼくの実力的に一撃はきびしいかな〜、でもワンちゃんあるかも? ホールドはわかりやすいので入念にオブザベしました。

結果、2ピン目でテンション。早かった(笑)

垂壁のテクニカルなルートで、個人的に2-3ピン間が難しかったです。下から上までダレずに緊張感があり、レストもしにくい。短いけど持久力のいるルートで星3つは納得です。

次きたらまたトライしたい。が、片道2.5時間は遠いんだよな〜。あと1時間短ければ毎週通いたいくらいいい岩場なんだけど。

御前岩の開拓、その後の登攀禁止、そして再公開までのストーリー

御前岩エリアがはじめて開拓、公開されたのは1987年。世界のクライミングシーンがトラッドからスポートに変わっていく時期、日本でもヨーロッパのような石灰岩のスポートエリアを、という流れで平山ユージさんらが開拓したそうです。アスリーツボディ、パチンコゲームといった高難度ルートがつくられ日本中のクライマーに注目されていましたが、翌1988年に入山禁止になってします。

たった一年で入山禁止になってしまった理由は、無断駐車、木の伐採、トイレ問題、焚き火といったクライマーの素行が地元住人の方々の反感を買ってしまったからだそうです。

一度入山禁止(登攀禁止)になったにも関わらず、いま御前岩でクライミングができるのは、徳永信資さんという方が長い年月をかけて地域の方に理解してもらえるよう骨を折ってくれたから。御前岩近くに移住し、地域にとけこみ、話し合いを繰り返し、再公開にいたったのは10年かかったそうです。

ものすごい情熱。誰にも真似のできない偉大な活動だと思います。普通の人だったら、シークレットエリアとして仲間内だけで楽しめるエリアにしてしまうような気がする。だって登攀禁止になった理由は不特定多数のクライマーによるマナー違反なのだから。

御前岩を誰でも楽しめるエリアとして一般公開した理由。徳永さんは「言わずもがなこの岩場のすばらしさであり、訪れるクライマーを我々が信じると決めたから」とおっしゃっています。

もう感謝しかありません。ありがとうございます。

さいごに

御前岩に関するストーリーは、ロクスノ78号(2017年 冬)に徳永さんが執筆した記事「御前岩再公開への道のり」に詳しく書かれています。御前岩で登るクライマーはぜひ読んでみることをおすすめします。

この記事を読んで御前岩再公開のストーリーを知っているのと知っていないとでは、エリアに関する印象はだいぶ変わるのではないでしょうか。

のり
のり

例えばスペイン旅行でサグラダ・ファミリアを見に行くとして、ガウディの建築についての知識があるとないとでは、感じ方が違うと思うんです。

御前岩も同じことで、この岩場の歴史や、開拓や公開のために動いてくれた人のことを知ること、情熱を感じることでそのエリアを利用するときの意識が変わるのではないでしょうか。少なくともぼくは感謝し、敬意をもって登らせてもらわないといけないんだなと思いました。もちろんこれは御前岩だけに限った話ではないのですが。

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