清里の観光について考えてみる。

北杜市の地域おこし協力隊として清里で働きはじめて4ヶ月がたちました。

清里観光振興会という組織に所属することで、清里のことをほとんど何も知らない状態からいろいろと知ることができたと思います。いい面もあれば、イマイチな面もある。

「たった4か月で何がわかるんだ」という考えもありますが、思ったことを定期的にまとめておくことも大切な気がします。移住者視点は在住歴が長くなるにつれて失われていくかもしれないので。

ということで、4ヵ月の雑感をまとめてみようと思います。

清里の今とむかし

北杜市にきて、皆がしきりに言うことは「清里はすたれてしまった。清里ブームが終わって廃墟のよう」というようなネガティブな言葉でした。

清里ブームとは

1970年代から1980年代にかけて『an・an』『non-no』に代表される女性誌が頻繁に取り上げたことにより、アンノン族が大挙して押し寄せる「清里ブーム」が起こった。

ぼくは1987年生まれなので、清里ブームのことはほとんど知りません。幼いころに旅行に来たことがあるみたいですが、ほとんど記憶にないので、こちらにきてはじめて清里ブームがあったことを知りました。

上のツイートはJR清里駅前の様子。昔のような賑わいは現在の清里駅前にはありません。ここだけみると、確かにブームが去った後の廃れた街並みにみえます。

ですが、駅から離れるとその印象はガラリと変わります。清泉寮、まきば公園の牧場といった高原らしいさわやかな景色や、近年移住してきた人たちが営むおしゃれなカフェやパン屋さん、インスタ映えで人気の清里テラス、萌木の村ROCKはテレビでもよく取り上げられています。

どうやら清里には旅行者が訪れたくなるような魅力的な場所があり、集まるとこには集まっているようです。

世代による清里の印象の違い

実際に清里にきて感じた印象は、「八ヶ岳の展望がよく、気持ちのいい場所。」というものです。錆びれた建物もあるけれど、まあ田舎なら壊れそうな建物くらいあるだろう。地域の人たちがいうほどネガティブな印象は受けませんでした。

駅前の案内には老若男女ざまざまなひとが訪れますが、年配の方ほど清里の駅前の状態に驚きます。「昔は賑やかだったのに・・」と、過去の清里と比較して清里を見ているようです。一方、若い人たちはインスタ映えで人気の清里テラスに行ったり、レンタル自転車を借りて高原を走ったり。過去のブームを知らないので、さびれた駅前には興味も示さず、高原の自然を楽しんでいるようです。

この傾向はとても顕著です。そして、面白いことに若者の嗜好とニーズにうまく対応しているお店や施設ほど賑わっています。

昔の清里ブームは「メルヘン」をテーマに街づくりをしていたようです。一方、現在の清里は高原エリアの魅力を伝えているように感じます。

個人的にも、ハリボテのメルヘンよりも普遍的な自然の魅力を推していく方が土地本来の良さを活かせるように思います。

清里の観光が抱える課題は二次交通

実際に働いてみて、清里の魅力や強み、現状がわかってきました。同様に、清里がかかえる問題、課題もみえてきました。

それは、二次交通です。

二次交通とは

拠点となる空港や鉄道の駅から観光地までの交通のこと。例)タクシー、バス、自転車など

清里の場合は、JR清里駅からの移動手段です。

例えば、JR清里駅から人気の清里テラスへ行くためには、①ピクニックバス、②タクシー、③レンタル自転車という選択肢がありますが、それぞれ問題があります。

清里ピクニックバス

清里ピクニックバスの問題点は、運行日の少なさです。ゴールデンウィークや夏休みシーズンは毎日運航していますが、そのほかは土日祝日のみ。

平日に旅行に来た人が、「清里テラスに行きたいんですけど、バスないんですか・・」とがっかりしているのを何度みたことか。

ピクニックバスの運行日

平日運行しないのは採算が合わないからです。バスを毎日運行させるには旅行者の数が少なすぎる。しかし旅行者を増やすためには二次交通の充実が必要。旅行者が増えるまで赤字を出しながらバスを運行できる体力はありません。

清里ピクニックバスの路線図

ひとつの解決策としては路線と停留所を減らすことだと思います。

ピクニックバスの利用者の多くは、清里テラス、清泉寮、まきば公園、牧場通りなどの人気エリアへ行くために利用します。ほとんど利用者がいないようなバス停もあるようです。

利用者が少ないところは思い切って無くし、路線も3つでなく1つに統合することで無駄を減らせます。

これは口で言うのは簡単ですが、実行するのは難しい。というのも、ピクニックバスは清里観光振興会が運営しており、おそらくは一部の事業者だけのためにバスを運営することができないからです。もっとも、多少無駄を減らしたらいではたかが知れています。

旅行者の数が少ないこと、夏のハイシーズンと冬場の旅行者数の偏りが大きすぎることをが根本原因なので、ここを何とかしなければ対処療法にしかなりません。(その根本原因解決が一番難しいんですが・・)

タクシー

タクシーの問題は台数が少ないことです。清里駅のロータリーは、常時2台のタクシーが待機しています。夏のハイシーズンも2台、6月の平日でも2台です。当然、繁忙期は旅行者に対してタクシーが不足します。

冬は観光客がほとんどいなくなるため、タクシー会社も簡単に台数を増やすことはできないのでしょう。ピクニックバスの問題と本質的には同じことです。

レンタル自転車

清里駅前案内所では、電動アシスト付き自転車のレンタルをしています。坂道の多い清里でもアシストがあるので比較的ラクに漕げる自転車で、とても人気のサービスです。

オペレーションの工数不足やメンテナンス費など、多少の問題はありますが、バスやタクシーに比べて維持費が格段に安いのでコスパのいい二次交通といえます。

ただし清里テラスまでは40分かかるので、お年寄りが利用するには体力的に厳しいこと、そもそも自転車に乗って疲れたくない人もいるので、完璧ではありません。

レンタカー

駅から10分ほど歩けばレンタカー屋さんがありますが、利用者はほあまり多くありません。同様に、トヨタカーシェアの車が駅前の駐車場にありますが、ほとんど利用されていません。そして、仮に活用されたとしても、ハイシーズンの需要には追い付きません。

二次交通の重要性

地域活性化のためには、一度だけ訪れる観光客だけでなく、何度もきてくれる関係人口を増やしていく必要があります。

そのために重要なのが二次交通。

新しいお店や事業、イベントがあれば人を呼ぶことができるかもしれません。ですが、せっかく来てくれた人に交通が不便と思われてしまったらリピートはしてもらえないし、口コミで広がって不便な場所だという印象がついてしまします。

実際に清里テラスでの夜間イベントなどは、ピクニックバス、タクシー、レンタル自転車どれも動いていないので、実質マイカーがある人しか参加できないような状況になっています。

まとめ

  • 若者は清里ブーム時代のことはほとんど気にしていない(知らない)
  • 山、牧場といった高原ならではの自然の魅力は旅行者にとって十分魅力がある
  • 二次交通が弱い

さて、清里の観光について考えてみたものの、問題と課題が整理できただけで解決策が浮かびません。おそらく、多くの地域がかかえるこの問題。地域おこし協力隊ひとりの手におえる問題ではないかな~

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